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旧大滝村で味わう岩茸の寿司

text by

小泉龍司

2007.09.28

 旧大滝村(秩父市)の旧友と久しぶりに再会した。みなさんと楽しく有意義な、昼食のひと時を持たせて頂いた。奥様方による、こしのある手打ちのうどんと天麩羅、そして、大滝村でしか味わえない、幻の?「岩茸の寿司」をご馳走になった。生まれてはじめての体験に感動!

 岩茸は、大滝の山の上、岩場に貼りりつくように生息し、採取するにも、足場は悪く、めったに手に入らない。商品として店頭に並ぶことはなく、個人間で譲り渡す時にも、ひと掴み、数万円はするそうだ。他のものには例えがたい、なんとも奥深い味わいがある。

 「大滝の人はみな、この岩茸のように、山にしっかりと根差して生きているんだよ。」友人の言葉が、深く胸に響いた。

 大滝に来るといつも、細かいことこだわる気持ちが消えていく。おおらかな気持ちを蘇らせてくれる山と空と荒川源流の水。そして大滝のみなさんの温かい情。それらすべてのものが、詰まっているような黒い岩茸の味。

 もう少し、食べるのを遠慮すればよかったかな?そんな気遣いもつい忘れてしまった贅沢な、昼食の一時でした。

 

(余談)「すべての人が都市に出てきて住めばよい。それが一番効率的だ。」政府の経済財政諮問会議のある民間議員の言葉。すべてを経済効率で計る虚しさを、今さらながら、感じずにはいられなかった。