文字サイズ: 小 中 大

映画「いのちの作法」-沢内「生命行政」を引き継ぐ者たち-

text by

小泉龍司

2009.03.03

 深谷年金者組合の皆さんにお声がけ頂き、2月6日、ドキュメンタリー映画「いのちの作法」の上映会に伺いました。
 舞台は、岩手県の旧沢内村を含む西和賀町。東北の過疎化が進む町です。旧沢内村は、昭和36年に、深沢まさお村長の下で、日本ではじめて乳児・老人医療費無料化を実現し、翌年には、これも日本ではじめて乳児死亡率ゼロを達成した村です。
 その後継者たちが、それぞれの立場で、「いのちの尊厳を守る」深沢村長の理念を受け継ぎ、特別養護老人ホーム、虚弱児施設、児童養護施設あるいは、知的障害者授産施設、NPO法人などで、献身的に「いのちの尊厳」守るために働き、尽くす姿が感動的に描かれています。
 一つ一つの「現場」に命の重さと輝きがあり、そしてそれを包み込み、育む人々の温かさが映像を通じて、ひしひしと伝わってきました。
 戦前、すべてに優先するものは、「国家」でした。そして戦後今日まで、すべてに優先してきたものは「経済」でありました。しかし、国家も経済的繁栄も、それらが幸せを保障するのは「強い者」たちだけです。
 弱き者を含め、すべての国民に等しく幸せを及ぼそうとするならば、「人間」をすべてに優先させねばならない。我々には、その心があり智恵があり、力があるのだということを、この映画は描き出し、我々が進むべき方向は、そこにあるのだということを教えてくれます。自然に心に温かい力が湧いてくる、貴重な素晴らしい上映会でした。
 お声がけ頂き、誠にありがとうございました。