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夏祭の賑わい

text by

小泉龍司

2010.07.27

 地元の各地で夏祭が開かれています。
 疫病除けの祈願が行われ、笠鋒や神輿が道々を練り歩きます。農耕民族の日本人にとって、「暑さ」は、生命の源でした。暑い時に暑く、寒い時に寒くなければ、豊かな秋の「実り」はやってきません。
 そういう意味で、「暑い陽射し」への祝意が夏祭の大元にはあるのだと思います。
 他方、「暑さ」は疫病(現代では熱中症)により、人の生命を奪う恐ろしい一面をもっています。だからこそ「暑気」は払わねばなりません。
 暑さを「祝い」そして「払う」…その相反する緊張関係の中にこそ、遥かな時代を超えて受け継がれてきた夏祭の力(エネルギー)が宿っているのだと思います。
 夏祭のエネルギーは、歴史を超えて流れている、と実感するのは私だけでしょうか。
 来し方を静か振り返り、明日への力を蓄える。そんな夏にしたいものです。