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本庄・精密農法研究会に出席(1月26日)

text by

小泉龍司

2011.02.04

 本庄市では、東京農工大学の渋澤栄教授が提唱する「精密農法・本庄モデル」(注)の確立に賛同する農家が会員となって、平成14年4月に本研究会が設立され、精力的に活動が続けられてきています。
 この度、はじめてその定例会に参加させて頂きました。
 今回は、渋澤先生や会員の皆様から様々な問題を提起して頂くことが主題であり、次のようなご意見、問題提起が寄せられました。

農業経営開発補助金など、農業に関するソフトへの補助金が必要である。。

農業補助金全般について、現場の実情を知らずに制度設計されているので使い勝手が悪い。もっと融通性の高いものに改めてもらいたい。

中国から研究生を受け入れているが、2010年7月から新制度になって規制が強まり、1か月は中国で研修、その後2か月研修して雇用しなさい、という形に改められた。語学研修も十分ではなく、実際にうまく研修生が働けない。そもそもこの外国人研修生制度は、農業を念頭に置いたものではないところに問題があり、改善してほしい。

農家のための労災制度があっても良い。 現在は労災の特例措置として農家も加入できる制度はあるが、使い勝手が悪く、農家の1%しか加入していない。

中国人は所得税を支払わなくてよい仕組みになっているのはおかしい。

最低賃金がこの3年で680円から750円に1割アップし、農場経営に当たり大きなコスト負担の増加となっている。何か支援措置はないのか。

肥料の値上がり幅も大きい。主成分であるリン鉱山の寿命の限界が見えたので値上がりが始まった。レアアースなどと同様に、政府として「戦略物資」としてとらえる必要がある。

スーパーが自らに有利に農家を囲い込むために、「GAP」(農業生産工程管理:農水省が推奨)を押しつけている。そこでは流通、保管を含め、すべてのリスクが農家に押しつけられている。(収益が大きい集配業務は大手が押さえ、収益性が低い「基幹流通」は中小企業が担う。例えばそこで冷凍スイッチが一定期間切られてしまうということもあり得る。結果としてそのリスクは農家が負わされる。)


 これらの問題について私の方で掘り下げ、順次、解決策等をお示ししていきたいと思います。
 討議を通じて、本研究会は、農業に「経営」の概念を根づかせ発展させていくすばらしい研究会であることをつくづく実感しました。
 精密農法やGAPの日本での第一人者である渋澤先生が、ここまで深く親身にご指導頂いていることにも、強く感銘を受けました。

(注)精密農法について
 農業にはさまざまな「ばらつき」(気象、土壌の状態など)があり、それが収穫に大きな影響を及ぼしている。
 精密農法は、この「ばらつき」を情報化し、でき得る限り精密に管理する中で、農法等に改良を加え、農業の生産性を高めていこうとする実践技術である。
 大規模経営のアメリカで生まれた考え方であるが、これを中小規模経営の日本の農業に適した形に改編して導入、定着させていこうとする取り組みが進められている。
 日本農業の生産性向上の鍵を握る、非常に重要な取り組みである。

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