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平成31年の新春を迎えて

text by

小泉龍司

2019.01.09

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 旧年中は、皆様方に大変お世話になり、誠にありがとうございました。
 また、本年もどうかよろしくお願い致します。


 昨年は国際情勢が激変した年でした。前半は、米朝首脳会談へ向かう動き、加えて後半は、米中貿易・経済摩擦の深刻化や欧州各国における政治的混乱などが生じました。


 こうした混乱をもたらした最も大きな要因の一つは、米英両国などにおける、国内の所得再分配システムの脆弱性ではないか、と考えられます。


 自由貿易の拡大、国際分業の深化 という形で、グローバリゼーションが進めば、先進国の中低所得層は、所得の伸び率が低迷することが客観的に示されています(ブランコ・ミラノビッチ氏が示した「エレファント・カーブ」)。


 こうしたグローバリゼーションによる荒波の防波堤になるのが、各国における税・社会保障制度を中心とする所得再分配システムですが、OECD加盟国の中でも、再分配システムの弱さが指摘されているアメリカとイギリスで、TPPやEUからの離脱が起こったことは、決して偶然ではないと思います。


 何とか持ち堪えていたフランスやドイツにおいても、最近異変が起こっています。


 我が国の再分配システムも、OECDの評価によれば、英米に近くさほど強いものではありません。
 そのシステムの脆弱性を埋め合わせる、何らかの社会的、文化的要素が作用している可能性はありますが、それがいつまで継続するかはわかりません。
 我々は、こうした点に十分、留意しておく必要があります。


 対外政策の裏側には、必ず内政があります。その両方を常にしっかりと視野に置いて、本年も、党・国際局長としての職責を果たして参ります。


 皆様方のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。