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新型コロナウイルス・DNA型予防ワクチンの開発を強力に支援

text by

小泉龍司

2020.04.07

(1)人類にとって未知のウイルスである新型コロナウイルスによる感染症が、我が国をはじめ世界各国に大きな脅威を与えています。当面の治療薬として、我が国の企業が製造する「アビガン」などの薬が、臨床試験を経て投入されようとしています。
 他方で、新型コロナウイルス感染症の蔓延を阻止する決め手として、「予防ワクチン」の開発が急務です。政府のこれまでの緊急対策においても、予防ワクチン開発について一定の支援が表明されていますが、より強力な政府支援を行う必要があり、具体的事例に即して、強力に厚生労働省等の関係省庁に対し強い要請行動を私が中心となって起こしています

(2)予防ワクチンについては、すでに国の機関である感染症研究所及び東大の医科学研究所などでも研究が行われていますが、それに一歩先んじる形でワクチンを製造し、動物実験に進んでいるプロジェクトがあります。これは去る3月5日に記者発表が行われた、製薬企業アンジェスが開発を行い、大阪大学大学院の森下竜一教授を中心とする阪大のチームが参画しているDNA型のワクチンです。世界に目を向けると、中国やアメリカでもワクチン開発に着手していますが、最も安定的かつ効率的にワクチン機能の発揮を実現できるDNA型のワクチン開発は、おそらくこのプロジェクトのみであると言われています。ちなみに、RNA型ワクチンの開発に取り組んでいる米国立衛生研究所を中心とするグループは、3月16日に臨床試験を開始しましたが、RNAの取り扱いが非常に難しく、実用化には1年から1年半かかる見通しです。

(3)このアンジェスという企業は、いわゆる医療・バイオベンチャー企業であり、難病治療薬の開発に取り組み、昨年、我が国で初めて遺伝子治療薬を発売した企業です。ここ10年来、私がこのアンジェスを中心とする「バイオテク協議会」の顧問を務め、これらの企業と一緒に難病治療薬の開発に懸命に取り組んできた仲間であります
 今回の発表を受けて3月12日には、志帥会(二階派)の政策勉強会の講師に招き、志帥会を挙げて支援をすることを、政策委員長として同志の皆さんに強くお願いを致しました。同志の皆さんの強力なバックアップを得て、厚生労働省等に対して、この案件を含むワクチン開発への強力かつ具体的な支援について、要請を繰り返し強く行っているところです。

(4)このワクチンの仕組みは、コロナウイルスの表面に複数突き出ているスパイク(ゴルフシューズのスパイクのような突起物)が人間の細胞に接着し、そこから感染が起こるということに着目しています。このスパイクだけを人間の体内に発現させるDNAを、プラスミドといわれる環状DNAの上に張り付け、このプラスミドを体内に注入し、人間の体の免疫系がこれを異物(抗原)として認識し、体にこれに対抗する免疫力(抗体)が作られることになるという仕組みです。
 スパイクのみを体内に注入するので、ウイルスのもつ毒性に体がさらされることはなく、高い安全性が保たれます。また、ウイルス自体を弱体化して体内に注入するには、最大8か月程度の時間を要すると言われますが、このスパイクのみを注入するプラスミドは約2週間で製造することが可能であり、大幅な期間の短縮が可能になります。環状DNAプラスミドはすでに、他の治療薬で臨床試験が行われており、その安全性が実質的には確認されています。

(5)こうした優位性を持つプロジェクトが既に進行し始めており、完成までの期間を極力短縮化するための支援を求めているところですこうした支援が得られる場合には、最短で7月には臨床試験(人間に接種)を開始することが可能となり、難病治療薬等に適用されている「早期承認制度」を活用することができれば、最短でこの秋には市販することも、必ずしも非現実的な目標ではありません。このワクチンの開発が成功すれば、我が国のみならず世界を救うことも可能になり、一年後に延期された東京オリンピック・パラリンピックを成功裏に開催することも可能になります。厚生労働省も一定の理解を示してくれており、今週もまた引き続き全力で取り組んで参ります。

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