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政治評論家 森田実氏をお招きして。

対談動画パート 2 / 4

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二大政党のポピュリズムの問題(承前)

小泉
次に2番目の問題ということですが、私は今無所属でございますので、無所属から見た場合、与党であれ野党であれ、政党というものを全体として捉えたときにですね、やっぱりその世論とか支持率とか、そういうものにあまりにもこう過敏に反応しすぎる、まあ、それが結局深い議論を避けて、難しい問題を先送りして、耳障りのいい口当たりのいい議論や政策にどうしても流されていくきらいがあるように見えるんですね。政治は言葉だと言いますけど、言葉がきれい過ぎて、きれいに支持率を取るような言葉を投げかけることによって、実際は現場とずれてしまうと、現状とずれていくというような、まあ、大きく言えばポピュリズムの問題ですね、政党が抱える。特に2大政党の場合、赤組白組ですから、赤がミスをすれば白が勝つ、白がミスをすれば赤が勝つということですけれど、よりこのポピュリズムが強くなるようような傾向を感じますが、先生、いかがご覧になっておられますでしょうか?

政党に属する政治家の思考が停止している

森田
私は中学のときに戦争が終わりまして、そしてずっとこの62年間、時代とともに生きてまいりました。自由民主党が結党された事情も知り尽くしておりますし、ずっと、政党の歴史を見ていましても、自由民主党がですね、本当に危険な状況になっていますね。と言うのは、自由民主党というのはそれこそ自由で民主主義の政党として作られたわけで、一人一人が自分の信念・理想・発言というものを持ってやっていたわけですが、今はですね、自分自身のその信念というものを明確に発言する人はほとんどおりませんね。たとえば、今アメリカ一辺倒の政治をやっていますね、日本は。中国とかアジアが大事だという主張をする人は少ないんですが、私はそう主張している人に聞きましたら、自由民主党の議員の中で3、4人だって言っていましたよ。
小泉
3、4人ですか。
森田
中国が大事だと、アジアが大事だと主張している人がです。いわば、あのヒットラーとかスターリンの下におけるこの独裁政党、その完全なファッショ政党と同じように、ほとんどの人が思考停止をして、中央本部あるいは総裁の言うことに従うと。ですから政治家としての任務を果たしてないんですね。他の政党を見ましても、ほとんど党首に物申すっていう人がいなくなりましたね。主流の考え方に自分は違うんだという人がいなくなりました。ですから政党員そのものが思考停止に陥っているんですよ。ですから小泉さんは貴重な人なんです。自分自身の信念を持って、我が道を行ってます。今は政党が活動の中心になっていて、無所属などは認めないという法制度にしてですね、無所属には助成金も出ないし、選挙運動も非常に厳しいんですが、それでもなおかつ自分の信念と意見を持っているっていうのが本当の政治家だと思いますよ。ですから今ですね、我が日本国の政党は本当に凍り付いて、そして政党の政治家が自分自身の意見を持たなくなって思考停止なっている。そして、魚で言えば目が上にしか付いていないヒラメ現象。ヒラメのようになって、自分自身の信念が何かを見失ってしまっている。今の日本は大変危険な状況にあります。ですから、小泉さんのような方に頑張ってもらいたいと本当に思いますね。

何党の所属であるかより、有権者から直接選ばれたことが重要

小泉
ありがとうございます。政党に所属するということ、私も当選すれば政党に所属することになるわけでございますけれども、政党に所属する議員である以前に、政党の構成員である以前に、一国会議員としての立場があってしかるべきだと思うんですね。アメリカのような2大政党制の国でも、重要問題になれば民主党案に共和党の議員が賛成する、あるいはその逆が起こるというようなクロスボーティングということが行われているし、また認められているというふうに私は理解しています。そこは間違いがないんでしょうか?
森田
アメリカは党議拘束を基本的にしないことを原則にしていますから。日本は一から十まで党議拘束ですからね。ですから国会議員が本当に軍隊の一兵卒、その二等兵とか一等兵のようになってしまっているわけです、今の日本はですね。
小泉
なるほど。政党のあり方というのが、まだまだ2大政党制になって3回目ぐらいの選挙ですか、これから日本はもう少し成熟をしていかなければならないんですけれども、おっしゃる通りに、何々党員である前に有権者から直接選ばれた代議制のもとでの国会議員だという立場をやっぱり私は大事にしていきたいし、まあ、その上で何党で頑張るという心積もりでやってきましたし、これからもやっていきたいと思っております。
森田
大いに頑張っていただきたいと思います。

日本社会がアメリカ化している

小泉
ありがとうございます。それで次の問題なんですが、マスコミの問題点、また政党の問題点をお話いただいたんですが、その後ろ側にですね、最近いろんな形で指摘をされていますけども、日本の社会がアメリカ化をしていっているんじゃないかと。市場原理主義という経済システムもそうでありますし、物事の考え方ですね。アメリカ型社会が1つの強力なモデルとして日本人の心を捉え始めている。それは、漠然とした問題だけではなくて、現実に、「年次改革要望書」というものがアメリカ政府から毎年日本政府に「これをどうぞおやんなさい」というように要求書が来るわけですね。そして政党および官僚がそれをなかなか拒否はできない。批判するべきマスコミサイドも、朝のワイドショーのコマーシャルを見ているとほとんどの外資系の保険会社の名前が出てくる。ぶち抜き広告で大きな収入を…広告料をですね、新聞に出す。やはり、外資の影響というものもあると思うんですね。そのアメリカを中心とする海外からの影響、マスコミに対して、あるいは政治に対して、その点について、先生の問題意識をお教えいただければありがたいと思うんですが。

己を見失ったアメリカに従順な日本

森田
私はアメリカも相当堕落したと思います。つまり、ある時期までのアメリカは、他の国を尊重して、お互いに助け合って平和を守って生きていこうということを、それなりに努力していたんですが、ある時期から自分が世界のリーダーなんだと、世界の独裁者なんだと、アメリカが世界の警察なんだ、アメリカは世界の軍隊なんだって、世界はアメリカが支配するという考え方に変わりました。それをレーガン政権以来、共和党が推進したんです。そして、段々段々強くなりまして、現在のブッシュ体制になってから、極端になりましたね。つまりアメリカが世界のリーダーで、アメリカの理屈でもって世界を動かしていくんだと。そしてアメリカの理屈に合わないことをする者は許さないというようになってきました。そしてアメリカに奉仕する者からは、徹底的に搾り取ってやると。そのアメリカ自身がですね、己を見失ったんです。これは、米ソ冷戦体制の中で少し残ってた謙虚さが、冷戦に勝ちましてから・・・勝ったときは危険なんですね・・・人間個人も国も傲慢になりましてね。突っ走り始めまして、そしてアメリカがですね、もう力尽くで押さえていこうと。

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