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オペラ「ミカド」-THE TOWN OF CHICHIBU-

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友の会代表 塚腰康一(秩父市)

2007.04.25

英国オペラの舞台は秩父?

秩父から何かを世界に発信できないだろうか?そんなことを考えていた1991年の秋、友人の井上孝君から電話があり、「今ラジオで、永六輔さんが秩父と関係のある英国オペラ『ミカド』を秩父で公演したら。と言っていたよ」と聞き、すぐさま、「ミカド」を公演する会を発足させたい、と放送中の永さんに電話をしてしまいました。
その日から、友人の宮澤眞一埼玉女子短期大学教授、英語版の秩父ガイドブック著者の円佛須美子さん、音楽好きの小堀記者といった方々に、「ミカド」についての資料収集を依頼しました。

オペラ「ミカド」の副題は、確かに「ティティプの町(The Town of Titipu)」。そのストーリーはとても面白く、また楽曲も素晴らしい!

真実を求めて英国へ

翌年、夏宮教授と私は二人で、「ティティプの町」は、本当に秩父なのか?それを確かめるため、英国への旅に出かけました。まずドイリーカート劇団を訪問し、劇団の大いなる協力を得ることができました。そして我々の調査旅行は、BBC放送局や英国各紙において、好意的に報道されました。その記事を見た読者から、同年7月29日付「デイリーグラフ」紙に投稿があり、「ミカドの作者ギルバート、作曲者のサリバンと親交のあった自分の祖父は、ギルバートからティティプは日本に実在する秩父から得たと聞いた、その時のメモ書きもある」との証言を得ることができました。

前代未聞の最高の市民オペラが誕生

それから、約10年間の準備期間を経て、ついに、このオペラ「ミカド」を秩父発で日本人により、日本語で上演するところまでたどりつきました。
秩父高校の音楽教師、故高波征夫先生の育てた秩父の歌手が総出演し、衣装カツラは秩父歌舞伎の製作提供、秩父屋台町会の協力、男子合唱の裃は秩父神社の提供、NBAバレー団の協力など、本当に多くの方々のお世話により、2001年秩父市制50周年記念公演、2003年秩父歴史伝承館完成記念公演と芸術劇場への移動公演が実現し、前代未聞の最高の市民オペラとの評を得ました。

英国里帰り公演、日本凱旋公演でも大絶賛

そして、昨年(2006年)は、ついに英国「国際ギルバート・アンド・サリバン・フェスティバル」において、はじめて日本人による公演が実現し絶賛を浴びました。
今年(2007年)3月には、その凱旋公演が東京で一週間にわたり開催され、各方面から、市民オペラ「ミカド」を愛する人の輪がさらに広がってきていることは、本当に嬉しい限りです。次の公演の機会には、皆様方も、ぜひ「ミカド」を観にきて下さい。そこには、英国人によって描かれた秩父の人と町、不思議で魅力的な一夜が待っています。

(オペラ「ミカド」を秩父で公演する会 会長/オペラ「ミカド」の友の会 代表)