秩父青年会議所新聞「れいめい」(第83号)にて、小泉龍司との秩父青年会議所(JC)理事長との対談が行われておりますので、ここにご紹介をさせて頂きます。
秩父青年会議所のホームページはこちらです。http://www.chichibu.ne.jp/~jc/
下記に内容を転載させて頂きます。(許可済みです)
秩父JC理事長、小泉代議士と語る
2月5日(木)、衆議院議員会館にて、地元11区選出の小泉龍司衆議院議員と(社)秩父青年会議所第四十二代理事長増田洋一との対談が実現致しました。また対談の後、我々秩父青年会議所メンバーは秘書の方に国会をご案内頂き、大変良い経験になりました。
(理事長) 本日はお忙しい中、お時間を取って頂きありがとうございます。早速ですが、お伺いしたい事がいくつかありますので、宜しくお願い致します。
(代議士) はい、結構です。宜しくお願いします。
(理事長) 秩父青年会議所が今後取り組んでいくべき社会開発運動としては、今年を小泉代議士や栗原市長の言われる“都会と田舎の循環・共生”という考え方に基づいた行動を始めるための一年にしたいと考えています。特に秩父市と豊島区は姉妹都市で、東京青年会議所に豊島区委員会があり、今年初めて秩父青年会議所(以下秩父JC)として、都会と田舎でJC同士組もうではないかと交流を始めております。現在、小泉代議士が力を入れておられる事が、秩父JCとしてもタイムリーですので、代議士の力を借りながら、次代の秩父の新しい社会開発運動の流れを作り、それを委員会活動として実行していきたいと考えております。
今年で3回目になります秩父舞祭りCダンスも、5年間の事業として総会の決議を取った“訪れたい街、秩父づくり運動”の一環であり、これは5年前私が議長の時に始めさせて頂きました。それも今年が節目にあたり、ここから先の5年間の街づくりのビジョンを現在策定しております。それは古き良き時代の日本、秩父を今に伝える運動であり、言い換えれば秩父の有利な点は田舎であるとか、自然であるとか、古き良き時代の日本がそこにあるという事であって、決してそこに小規模の東京を作る発想では無いと思うんです。いかにローカルアイデンティティー(地域の良さ・強み)を皆で認識し、発信していけるかという運動にするべきであり、街づくりも同じ考えだと思います。
(代議士) 大きな理念としては、大賛成です。
(理事長) そこで、我々秩父は森を守ります、山を守ります、そしてそうすることで豊島区民の空気や水は守るから、多少の協力、援助は頂きたい。都会の人達の生活を支えるための自然を、我々が守っているし、守る努力をしていますから、という理論です。
(代議士) その通りだと思います。
(理事長) 先生のお知恵を拝借しながら、秩父JCの向こう5年、10年の運動展開を考える一年にしたいと思います。ご指導ご鞭撻のほどを宜しくお願い致します。
(代議士) 良く、分かりました。一緒に頑張りましょう。
(2)日本のあるべき姿
(代議士) 物質的豊かさを求める時期が90年代で終わり、引き続き物質的豊かさを求める人もいるが、自由な価値観のもとで自分の幸せを探る人がいる、それを国や自治体が支える、そういう事が成熟した国の自然な姿であると思います。こういう価値観で行きなさいと、国や自治体が示す訳にはいかないし、今は相当国民の精神が成熟化してきています。でもその中で経済の好転が見られず、貧しい人から豊かな人へ、地方から東京へ、中小企業から大企業へ、一次産業から三次産業へ、富が相当な勢いで動いています。それに対して政治や地方自治がカウンターパンチを浴びせることで、初めて一人一人が自由にいろいろな価値判断で人生を作り、それを追求し喜びを得る、本当の21世紀の新しい成熟した日本の社会が出来ると思います。そういう意味で構造改革も良いのですが、どうしても日本は未だに経済に重きを置きがちです。バブルが崩壊して景気が低迷して国際競争が厳しくなり、その中で日本は経済的に強くならなければなかない。しかし日本を強くすることは一人一人が幸せになることには直結しない、むしろ相反するかもしれない、それは国民の間に格差が開いてしまうからです。そこでどうするかというと切り口は二つあり、経済を重点に考えるか社会を重点に考えるかという問題提起の仕方や、アメリカが良いですかヨーロッパが良いですかという問題提起の仕方があると思います。やはりアメリカは経済至上主義なのです。社会保障も薄く、また国民の2割4千万人ぐらいが貧しく、大統領選挙の投票率が25%、これで統治が成り立っている国なんです。これがもしも日本だとしたら暴動や革命が起きても不思議でないくらい貧富の差があります。政治に期待しない、つまり政治を投げている人が75%もいて、それで成り立っている国なんです。我々はそれをそのまま鵜呑みにしてはいけないと思うのです。与野党を問わず、政治は謙虚にヨーロッパを落ち着いて見習うべき時期にきていると私は思います。
日本人は哲学があまり好きではない、また良い所取りが上手な民族です。要するに今日どうするんだい、明日どうするんだいという議論をしながら、あらゆる技術、価値観、文化を柔軟に取り入れて、上手にやってきた民族であると思います。今後も我々は、良く言うと柔軟性のある、見方を変えればその場しのぎな、現実を見据える民族性は変わらないと思いますが、明治維新の時の様に百年に一度、これからの十年の間は落ち着いて哲学論をやるべきです。ではその哲学を現在の政党が持っているかというと大いに疑問があり、今の日本には政党はいらないのかも知れません。自民党も民主党も同じような政党であり、中で争うだけロスです。だから霞ヶ関にいい様にやられています。例えば、大連立を組んだ内閣で霞ヶ関の官僚と対峙した時には、日本はもっと良くなると思います。
その中で、私はあえてアメリカ型社会ではなくヨーロッパ型社会を選択すべきであるという問題提起をしています。国民が自由に、精神的自由を味わって、自分のやりたい事をそれぞれがやる。努力すれば、経済的にも、精神的にも報われる。これを国が維持する、システムとして維持する。ひとつの国家があるべき姿として、これをやっぱり我々は念頭に置かなくてはいけないと思います。そこから出て来る政策に、優先順位を付けて実施する。社会制度、社会保障、教育、環境、そして農業、これらに優先順位を付けるという事です。ヨーロッパは既にやっている。決してヨーロッパが理想とは思いませんけど、ヨーロッパは社会保障の先進国であり、介護保険制度やワークシェアリングを作ったのも彼らです。私は謙虚にヨーロッパを見習い、その上でそれを乗り越えるべきだと考えています。
一方では我々はアメリカ、中国とも毎日経済戦争をしなくてはなりません。それを背負うのは国であり、縦軸として効率主義、競争主義は、経済構造改革として国が背負えば良い。但し横軸(ヨーロッパ型社会)を背負うのは地方自治であり、皆さんJCの社会活動もこれに当たります。そこで縦軸、横軸がうまく融合して21世紀の日本が出来上がる、これが私の哲学です。その中で社会保障の問題、教育の問題、農業の問題、環境の問題の4つが挙げられます。秩父JCの百年の計特別委員会が、その中で環境問題を選択したのは正解であると思います。私の考える4つの主要分野の一つを地域で背負う、且つ「パブリック」という概念が重要です。縦軸は経済競争(私のために私が頑張る)の世界です。官でも民でも無い、皆のために皆が頑張る、という「パブッリク」の概念はJCの理念であり、結党の理念だと思います。そういう感覚を持って、秩父JCが環境問題を取り上げていくという事は、私は非常に日本の国家のあるべき姿に照らしてみても本質的な選択だと思います。
そこで現実の政策論ですけど、2つあって一つは環境税を作りたい。経済に対してはニュートラルであり、得た税収をそのまま戻す考え方です。GDPマイナス効果は0.06%になります。おそらく税収で理想的に言えば9,500億円、その内2,000億円が森林に戻りますから、こういう仕組みを今環境省が考えています。私は自民党でトップを切って手を挙げて、現在輪(仲間)を広げている段階です。地球温暖化防止条約・京都議定書は2008年から2012年までが目標達成の時期ですけど、2005年からの3年間で具体的な措置をとらねばなりません。この9,500億円が入れば、色々な方法論がありますが、日本は京都議定書の合意は大まかに見て達成出来ると思います。大きな我々の意識変革をもたらし、また京都議定書を実現でき、そして環境という社会システムに大きなウエイトを掛けられる、国政の中心マターだと私は今思っています。基本は環境問題、そういう思いを持って取り組んでいます。具体的には炭素税であり、二酸化炭素を作るC(炭素)を持っている製品に掛けましょうという事です。石炭、石油、LPGの製造段階に掛けましょうというプランで、イメージとしては 9,500億円の税収を上げる為には、ガソリンにして1リットル2円。ガソリンが2円上がる。その分だけ皆さんも、省エネ車を買うだろうし、ソーラーシステムを入れる家庭も出てくる。9,500億円の内の2,000億円は森林に戻し、残りは省エネ機器の開発、省エネ車等の開発に利用するという考えです。
もう一つは水源税です。水を作っている水源に下流の人達が負担し戻しましょう。岡山では4月1日からやります。高知でも導入されており、神奈川県でも水道料金に上乗せしています。国としても水源税入れようと、昭和62、63年に大議論して一度つぶれています。なかなか進まないのは、それが今でも自民党の中でトラウマになっているからでしょう。
(理事長) 先生のやられている事とJCが今後やりたい事がタイムリーに合致していると思います。やはり秩父はあれだけの自然を神様から与えられて、それを守らなければならないはずです。
(代議士) 自然というものの価値をそして、歴史と文化をね。きっと環境税、水源税で世の中の意識が変わると思いますよ。空気と水は誰が守っているのかということがはっきりするし、国民の大きな意識改革になります。先程言った社会システムの一つになります。年金制度があり、環境税があり、教育機会の平等があり、農業直接所得保障、それらが揃って初めて自由競争が許される国になると思います。
(理事長) それで初めて資本主義と民主主義が機能すべきであると思います。
(代議士) 成熟した先進国としての日本国が生まれるでしょう。
教育グリーンツーリズム
(代議士) 最後に、私の提唱する『教育グリーンツーリズム』という事業の説明をさせてもらいます。東京の小中学生を招き入れて、地元の人が環境や、森林、地場産業を自然体験学習の中で教える、そんな滞在型の教育を考えています。現在長野県飯山市では年間7千泊、武蔵野市と提携して小中学生を滞在型環境体験学習として受け入れています。それにはまず学習指導要領に基づく「総合学習」として、都会の子供達に安全かつプラス価値が与えられるカリキュラムが必要なのです。現在早稲田大学発のベンチャー企業が、文部科学省のサポートを受け、児玉郡神泉村で去年の夏モデル事業を行ないました。今年もう一度実施し、早稲田大学制作のカリキュラムが出来たら、秩父郡市に持ち込みたいと考えています。例えば廃校を利用したり、県の施設や民宿でも良いと思います。とにかく安全に年間を通して東京の子供達を招き入れる。そのためには県や早稲田大学にはバックアップしてもらいます。郡市が一体になって受け入れる。飯山市に比べれば秩父は近いんだから、1万泊でも2万泊でもできるんじゃないかと思います。これは小泉龍司事務所発のプロジェクトです。詳しくはホームページに載っていますので見てください。
(理事長) そういう事であれば豊島区とも是非連携したいのですが。今、東京JC豊島区委員会と交流を持ち始めているので是非協力させてください。
(代議士) カリキュラムを豊島区に見てもらい、どこまでやれば来て頂けるのかなど、つなぎ役を秩父JCにやって欲しいと思っています。この夏が終わった時点で、何らかの報告が出来ると思います。
(理事長) JCとしても先生のお手伝いが出来ればと考えておりますので、是非遠慮なさらずに投げてください。
(代議士) はい、分かりました。ありがとうございます。
では豊島区とは是非交流を持ち、つなげておいてください。(終わり)