文字サイズ: 小 中 大

小泉龍司の国政報告

text by

小泉龍司

2004.04.08

1.今回の衆議院総選挙(平成15年11月9日)を振り返って

 今回の選挙は、自民党中心の政権と民主党中心の政権との「政権選択」の選挙と言われておりました。しかし、私は自民党についても、また民主党についても、その目指すべき国家像が十分に有権者の方々に対し、提示されていないとの考えの下、私自身のこの点についての考え方を率直に有権者の方々に訴えて参りました。

 それは、「自由競争」に国のあり方を委ねるアメリカ型社会を指向するのか、或いは「経済」ではなく、むしろ「社会のあり方」に重きを置くヨーロッパ型社会を目指すのかという選択であります。
 それは、経済的な強者をより大きく育てることにより、経済を活性化し、日本国の再生を図る道を選ぶのか、あるいは社会保障・農業・環境・教育等に政府がより深く関与し、安定的な社会システムを作ることにより、経済を含めた我が国の再生を図っていく道を選ぶのかという選択でもあります。私は、ヨーロッパ型社会を目指すべきである、と明確に訴えて参りました。
 すべての有権者の方々に私のこの考え方が十分に伝わったか、という点については、まだまだ努力不足の点があろうかと存じますが、平成12年の初当選以来3年4ヶ月、選挙期間中も含め、この点を訴えてきた結果としての今回の当選は、私にとって誠にありがたく心強いものでありました。「何のために国政に取り組んでいくのか」、その目的について、触れ合うことのできた有権者の方々と「合意」に近いものができた、という手応えを感ずることのできた選挙戦でありました。

 今後、今回の選挙戦の経験と有権者の方々の反応を踏まえ、さらに活動領域を広げ、研鑽を深め、行動力を研ぎ澄まし、国政に取り組んで参りたいと存じます。

2.国会活動についてのご報告

 今回の当選後、私はこれまでに引き続いて、衆院・財務金融委員会の委員を勤めますとともに、新たに予算委員会の委員及び青少年対策特別委員会の理事(委員の中で、委員会の運営について野党と協議をする世話係)に就任致しました。

 また、自民党では、農林水産部会の副部会長、及び財政金融部会の副部会長に就任致しました。これらの場を通じて、私が現在取り組んでいる問題について、そのご報告致します。

(1) 衆院・財務金融委員会

  1. 大規模な輸出関連の製造業には、やや景気回復の兆しが見られますが、これが中小企業や地域経済に全く波及していないことが大きな問題です。政府は、地域再生本部を設け、地域経済の景気回復に取り組んでいますが、未だ十分な成果は上がっていません。予算、金融、及び規制緩和の両面で地域経済発展の方策について、連日検討を行っています。
  2. 地域金融機関が貸し渋り、貸し剥がしを行っていることも、深刻な影響を与えています。地域金融機関の健全性を早く取り戻し、地域経済に十分な銀行の資金が提供されるよう、国から地域金融機関に、予防的な公的資本を注入する法案について審議を行っています。
  3. 銀行が中小企業に厳しい個人保証等を求めていますが、これが経営者にとって大きな負担となっています。法改正により、これを軽減するための措置を行うため、金融庁及び法務省と検討を行っています。
  4. 公的資金が導入され再建途上にある、埼玉りそな銀行や足利銀行が地域により密着した銀行として再生できるよう、埼玉県や群馬県が出資をし、両銀行を「県民銀行」として再生させていく方法について検討を行っています。

(2) 衆院・青少年問題に関する特別委員会

  1. 先日、岸和田で児童虐待による悲惨な事件が起こりました。児童虐待の相談件数は急増しており、昨年は2万3000件の児童虐待が報告されています。
  2. 児童の人権を守り、迅速に児童を保護するための措置をとり、また引き裂かれた親子関係を良好な関係に戻すため、児童虐待防止法の改正に議員立法で取り組んでいます。私は、自民党の法案作成責任者として頑張っております。

(3) 衆院・予算委員会

本来、当選4回以上の議員しか入れない予算委員会に、2回生として委員に就任できたことは幸運でありました。イラクへの自衛隊派遣問題、年金改革問題、道路公団民営化の問題、財政再建と景気対策、憲法改正問題などに取り組んでいます。 特に年金問題は、今後の国民生活の根幹をなす、極めて重要な問題です。今後の法案審議の内容を十分踏まえ、改めてその論点と内容をご報告させて頂きます。

(4) 農業問題への取り組み

党・農林水産部会の副部会長として、食料自給率を引き上げるための施策、WTO交渉への対応等に取り組んでいます。私は、農家を直接支援する「直接所得補償制度」の導入が不可欠であること、また不耕作農地については農業生産法人よりもむしろ、農協が中心になって取り組む体制を整えるべきである、との考えに立って、自民党内及び農水省に対して働きかけを行っています。農協の合併に係わる課税等、農業に係わる税制問題に取り組んでいます。

(5) 環境問題への取り組み

  1. 一期生の時には、環境委員会に所属しておりました。各地の産業廃棄物処理施設が多くの実害を地域に与えている実態を踏まえ、法律そのものの改正、自治体における条例の整備等について、全国の事例も十分に研究しながら、取り組んでいます。
  2. 地球温暖化防止条約(京都議定書)は、2008年から2012年の間に二酸化炭素削減の具体的目標を定めています。森林がきれいな水と空気を供給している、そのことについて都市部の住民の理解も徐々に進んできていると思います。私は、二酸化炭素の排出を抑え、一方で森林を涵養する財源を生み出すためには、「森林環境税」の導入が不可欠であると考え、まず自民党内に森林環境税導入を推進する議員連盟を発足させるために、先頭に立って頑張っています。
  3. 寄居町・三ヶ山の環境整備センターを地域の環境保全に細心の注意を払いながら、全国に誇れるリサイクルセンターとして整備していくため、努力しておあります。

(6) 国会における質問

 昨年の二期目当選後、国会において三回の質問を行いました。

  1. 財務金融委員会(足銀問題についての集中審議)(平成15年12月4日)
  2. 予算委員会(公述人に対する質疑)(平成16年2月27日)
  3. 予算委員会・分科会(竹中大臣に対する金融財政政策全般に関する質疑)(平成16年3月1日)

3.地元からのご要望についての取り組み

 地元から多数寄せられていますご要望について、全力でその実現を図っています。

  1. 地元各市町村においては、交通量の増大にもかかわらず、児童の通学路や歩行者用信号機が未整備である地区が数多くあります。国道(140号、299号等)や県道沿いの歩道の整備(秩父市・長瀞町等)、歩行者専用の橋(皆野橋)、歩行者用信号機の設置(岡部町、上里町、深谷市等)、歩道橋の設置(上里町)等を早急に進めることが極めて重要であり、埼玉県及び国土交通省と強力に要請を行い、実現を図っております。

  2. 生活基盤の整備も重要な課題です。例えば、
    • 16年度には利根川右岸・流域下水道整備事業の新規事業採択を勝ち取りました。
    • 国営かんがい排水神流川沿岸地区整備の新規採択も16年度に実現致しました。
    • 深谷の清水川の洪水防止のための国庫補助採択を14年度に実現致しましたが、高島地区も含め排水ポンプの容量拡大と新規設置にも全力で取り組んでおります。
    • 岡部町の櫛引用水路の整備も16年度には軌道に乗せることができると考えております。
    • 寄居町桜沢の天沼川改修にも取り組んでおります。
    • 横瀬町の下水道事業の推進及び合併浄化槽補助事業に取り組んでおります。
    • 吉田町の取方地区に河川整備事業として「水辺の公園」の実現に取り組んでおります。

  3. 国道・県道の整備を進めています。例えば、
    • 各国道(17号バイパス・299号・140号・140号バイパス・462号等)・県道(花園本庄線、寄居町南通線)、及び林道(両神村等)の拡幅及び整備が必要な箇所も数多くあり、橋の架け替え(荒川村・安谷橋)、新たな橋梁の設置(川本町・江南町関連の明戸大橋)、更には交通危険箇所の改善(東秩父村・八重倉坂)などについて、県・国土交通省と折衝を行い、実現に努めております。
    • このうち、国道17号バイパス(本庄道路)の新規事業採択を15年度に実現しました。
    • 六堰頭首工からの道路の延伸(秩父鉄道との平面交差を含む)に取り組んでいます。

  4. 新たな交通路の開設も重要な課題です。例えば、
    • 秩父市・東秩父村間の定峰トンネル、荒川・大滝間の大滝トンネル、秩父・小鹿野町間の長尾根トンネル等についても、必ず実現を図りたいと考えております。
    • 関越自動車道の寄居パーキングに新たにインターチェンジを設置する構想を具体化しつつあります。
    • 長瀞町と140号バイパス・インターチェンジを接続する橋梁の新設、秩父鉄道の複線化及び熊谷から東武東上線への新線開設のご要望についても、実現に向け努力しております。

  5. 本庄拠点都市整備に関する諸事業について、全力で取り組んでいます。上里町ハイウェー・オアシス構想の実現にも取り組んでいます。

  6. 幼稚園と保育園の一元化の取り組み
    岡部町における取り組みを厚生労働省と連携しつつ、支援しています。

  7. 教育グリーンツーリズムの実現
     県北地域は、豊かな自然に恵まれた地域であり、伝統文化や織物などの技術が深く根付いた地域であります。他方、県南や東京都の小中学生は、新たな「学習指導要領」の下で導入された「総合学習」の時間に教室の外で総合的な体験学習を行うことを義務づけられています。私はこうした県内外の小中学生を日帰りあるいは1〜2泊で県北地域に受け入れ、森林河川等の自然環境や伝統的な文化技能を学ぶ場を提供する、いわゆる「教育グリーンツーリズム」を実現したいと考えております。
     そのためにはまず、こうした体験学習を行うためのカリキュラムが必要であり、このカリキュラムを開発するために、文部科学省の民間向け補助予算を取り、早稲田大学系列の㈱セルフウィングにカリキュラムの検討をお願いしました。昨年に引続き、新たにオープンにした「冬桜の宿・神泉」において、モデル事業を実施する予定です。その成果を生かす形で、埼玉県、東京都、秩父市と姉妹都市提携をしている豊島区等と連携して、この構想を是非実現したいと考えております。

  8. この他、各地区の農業集落排水事業の推進をはじめ、ご要望のあった箇所について全力で取り組んでおります。

〔参考〕 利根川右岸・流域下水道整備について
 平成16年度に新規事業採択となった流域下水道整備事業は、本庄市・上里町・神川町・児玉町及び美里町に下水道を整備する事業です。総事業費は、最終的には国、県、及び市町村を合わせ約1500億円。この内、下水道幹線の建設費は全体で371億円(1/2は国庫補助金、1/4は県からの補助金、残り1/4は地元市町村負担)です。今後、次のようなスケジュールで整備を進めて行く予定です。平成16年度—調査・測量、17年度—工事開始、20年度—全市町村において、一部供与開始。今後、事業の実施に全力を尽くして参ります。